創元推理文庫。江戸川乱歩、北村薫、有栖川有栖などのミステリー作家が並ぶ中の「いしいひさいち」。ひらがな読みにくいなあ。いや、そこではない。小説の中に、漫画?
タイトルは、『COMICAL MYSTERY TOUR』。自治体の図書館になぜか3作目の「サイコの挨拶」だけあったので借りてみました。
普通に(?)、おなじみ いしいひさいち氏の4コマ or 8コマ or 1ページの漫画でした。
いしいひさいち氏といえば、私は中学生の頃に『がんばれタブチくん』と『スクラップスチック』を読んでいました。タブチくんのほうは有名ですが、スクラップスチックは知らないですよね? たぶん “Scrap” と “Slapstick” を合わせた造語だと思います。廃棄物のようなドタバタ漫画ということでしょうか。
母が社員寮の古新聞・古本置き場から拾ってきました。子供の私は内容の半分も理解できていなかった気がしますが(字も手書きで読むのが難しいし)、滲み出るそこはかとない面白さが好きで、何度も読んでました。
タブチくんが奥さんに大事な話をするときに、「ミヨ子、そこへお座り」「座ってるわよ」みたいな天丼が好きでした。
で、コミカル・ミステリー・ツアーですが、ホームズとワトスンのシリーズや、ミステリ作品名(またはそのパロディ名)がタイトルについたものが収録されていました。後者はなかなか解釈するのが難しく、そのミステリー作品を読んでいたり、何となくでも内容を知っていると、笑えるのかもしれないけど、作家名も作品名も知らないような場合は、何一つ理解できないまま四コマが終了というものも多かったです。そこは「味」だと思いましょう。すべて理解しようなんてのが、おこがましいです。
で、読み進めていると、
(地面には靴と裸足が交互になっている足跡)
ホームズ「みたまえワトスン君 犯人の足跡だッ」
ワトスン「君の足跡としか思えんがね。」
(見ると、ホームズは片方しか靴を履いていない)
みたいな1コマ漫画があって、既視感。絶対にこれ見たことあるんですよね。母が拾ってきた いしいひさいち作品に、『コミカル・ミステリー・ツアー』も含まれていたのでしょうか。それとも、作品集的なものに含まれていたのでしょうか。30年以上前のことなので、もはや分かりません。
巻末の初出誌一覧を見れば分かるかもと思いきや、日付がなかったり、本編の各作品との紐づけ情報が書かれていないため、あまり手掛かりになりません。
この初出誌一覧、「講談社 小説現代」などの記載に混じって、「清興建設 おりがみ」というのがあります。社内報? 社内報にいしいひさいち氏の連載があったの??? 清興建設にお勤めの方からの連絡をお待ちします。
時事ネタっぽいのもありまして。グァテマラの警察がアメリカ人ジャーナリストらしき人を取り調べしているシーンで、アメリカ人があまりにもグァテマラの警察に対して偏見(「警察とは名ばかり 無差別の処刑と拷問が仕事のサディスト集団か!」とか)を持った発言をするので、
警察A:「こいつも行方不明にしてやりましょうか。」
警察B:「だめだ。国内の治安はメチャクチャのくせに 自国民が3人行方不明になっただけで戦争しかけてくるぞ アメリカは。」
なんだかベネズエラを彷彿とさせます。中南米の国は昔から、こんな目にあっていたんですね。
