何か変なストーリーを考えろと言われても、考えつく自信がありません。無理にひねり出したとしても、結局それは、自分の想像力の範囲の中で、変になるようにと意図して作られた「変」であって、自分としては全然、変だと感じられないものだったりします。
その点、夢(寝ている間に見るほう)は違っていて、自分が考えつかないような出来事が展開したり、普段は絶対に思い出さないような昔の知り合い(子供の頃とか学生の頃とかの)が登場したりします。これは面白いぞ、ということで見た夢をそのままブログに書き始めたのが、13年くらい前だったりします。(今、見てみたら最初の投稿は2013年の10月でした)
投稿数はムラがあって、すっかりほったらかしの時期があったり、1日に複数の夢を書いている日もあります(一晩に3,4本(?) の夢を見る日もある)。
記事がたまってきて、アクセス数が増えてくると、グーグルのアドセンス広告でも入れて、WordPress(このブログです)の年間維持費の足しにできないだろうかなんて、いやらしい考えが起きまして、何度か広告を掲載する審査をグーグルに申請したのですが、いっこうに合格しません。しぶいヤツめ。
ちなみに、グーグルからは「有用性の低いコンテンツ」であるという身も蓋もない指摘を受けていて、ちょっとしたパワハラを受けたような気分です。しかし、有用性の低さという点では、否定もできません。
Cha太郎(©紙兎ロペ)に見てもらうと、夢を書き起こすだけじゃ合格しないよ、と。でも、大丈夫。夢はネタとして使えるから、見た夢を分析した記事を追加すればいいんじゃないか、と言うんです。そうすれば、「こんな夢を見たら、こんな意味だ」みたいなことを知りたい人が検索してくれる可能性がある、と。
でも、そもそも夢の解釈をするために書いていたわけではないので、坊さんカツラのロック歌手が歌っていたり、ロビン・ウィリアムスにマシンガントークをあびせられたり、ラーメン店を野球で倒したりする夢にどんな意味があるのか分かりません。
と、いうことで、岩波新書に入っていた『夢分析』(新宮一成 著)を読んでみました。ここからが本題だったりします。新宮先生(京都大学教授 当時)は、この『夢分析』(とその頃出版されたいくつかの著作)に対して、2000年に「サントリー学芸賞」というものを受賞しています。なんでサントリーがそのような賞を? という気もしますが、いわゆるメセナ(企業が行う文化・芸術や社会貢献への支援活動)というやつでしょう。でもまあ、お酒が文化や芸術と深く関係していることは、酒飲みなら誰もが知っていることです。若山牧水とか、池波正太郎とか、開高健とか。頭脳明晰な一瞬とか。
前述のリンクに鷲田 清一氏(大阪大学教授 当時)の「選評」として、授賞理由的なことが書いてあります。でも、なかなか難しいです。本書はこの選評ほど難しくないのでご安心を。
いやなんというか、普通に面白いんですよ。夢の実例(書き起こし)があって、それに対して新宮先生が解釈・分析を加える。夢の主はたぶん学生さんや患者さんで、夢とは別に聞き取りをおこなったであろう本人談のエピソードなども絡めてあります。
フロイト系の「夢判断」については、科学的根拠がうんぬんというお方も多いでしょうが、私としては、そこじゃないんだよなあという意見です。文学とか哲学とか神学とか、およそ科学的ではない学術分野ってありますよね。夢の分析は、そういう分野と科学との中間くらいの印象でしょうか。科学的な証明はできなくても、臨床から得られた知見に基づいてはいるんですから、そういう意味で実用性はあります。心理的な問題を治療するときのヒントにするみたいな。
でも、もっというとエンタメでもあるんですよね。別に困っているわけでも、悩んでいるわけでもなくて、でも、いつも見る変な夢が、忘れていた(意識にはあがってこなかった)出来事や考え方から引き起こされていた、ってことがわかれば、普通に興味深くて、面白くて、楽しめる。なので、エンタメなのです。
本書を読んでいて確信しましたね。他人が見た夢なんて、どうでもいいことの極致なんですが、その背景とか解釈を絡めることで楽しめるコンテンツになる。オチもなければ答えもない、読んでてモヤっとしたまんまになる、よく分からない短篇小説を読んだ時のような気分になります。いい意味で。
○○は□□の象徴、というのが端的に書かれているのもいいです。ざっと読み通すと、典型的な夢のシンボルやパターンを概観することもできます。実は、そんなに単純ではない(「火」は夜尿と結びつけられることがあるが、年齢を考慮すると違う解釈をすべき場合もある、とか)ことも書かれています。でも、それは追々で。
類型夢というのがあるそうで、「空を飛ぶ夢」とか、「水に入る夢」とか、「人が死ぬ夢」とかですね。
私がよく見るのは「裸で困る夢」です。私の中でのベスト「裸で困る夢」は、
夢:会議室でのイベント、トランクスの上にビキニパンツ、ベスト・カナディアン
です。
では、「裸で困る夢」は何を表わしているのか? 類型夢やシンボルについて、こちらの一覧にまとめておきました。
でも、本書を眺めながら短時間で作ったリストなので、間違いがあるかもしれません。正確な解釈については本書をご覧ください。
ちなみに、坊さんカツラの外国人ロック歌手が熱唱する、という類型夢はありませんでした。
