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勝手に読書感想文。漫画も映画も含みます

タグ: 都市伝説

  • 自転車、下北沢、猫町の詩人

    詩はどうも苦手で、ちゃんと読んだことがありません。「詩を読まざる者、おお、なんと悲しい男!」みたいなノリが、ちょっと受け付けなくて・・・。なので、萩原朔太郎のことも、『コージ苑』(相原コージ著)に出てくる変な詩人、自転車が大好きな人(『自転車日記』)、というイメージしかありませんでした。

    でも、『やりすぎ都市伝説 2026春 2時間半SP』(2026年3月22日放送)で、萩原朔太郎の『猫町』という作品が取り上げられていて、ちょっと興味が沸いたのでの、書庫から引っ張り出して(=稲城市立図書館で借りて)きました。

    ちなみに、番組での取り上げ方については、以下に内容がまとめられています。TVerへの誘導が目的のページなんでしょうか。けっこう詳しいです。詳しすぎて、番組を見なくてもよくなってしまうかもしれません。

    「下北沢タイムスリップ事件」続報!パラレルワールドに迷い込んだ可能性も!?:やりすぎ都市伝説 | テレ東・BSテレ東の読んで見て感じるメディア テレ東プラス

    簡単に言うと、「ふだんの散歩区域を歩いてい」て(下北沢あたりらしい)、「ふと知らない横丁を通り抜けた」ら、「道に迷って」しまって、「樹木の多い郊外の屋敷町を、幾度かぐるぐる廻ったあとで、ふと賑やかな往来へ出」ます。その町がきれいなのに感動して、

    かつて私は、こんな情趣の深い町を見たことがなかった。一体こんな町が、東京の何所どこにあったのだろう。

    みたいに思います。でも、その後、

    気が付いて見れば、それは私のよく知ってる、近所のつまらない、ありふれた郊外の町なのである。

    番組では、このあたりを引用して、朔太郎がパラレルワールドに迷い込んだのかも、みたいな話をしていました。

    ただ、借りた文庫本で読んでみると、種明かしがありました。

    そしてこの魔法のような不思議の変化は、単に私が道に迷って、方位を錯覚したことにだけ原因している。いつもは町の南はずれにあるポストが、反対の入り口である北に見えた。いつもは左側にある街路の町家が、逆に右側の方へ移ってしまった。そしてただこの変化が、すべての町を珍しく新しい物に見せたのだった。

    あれ? 今こっちの方角向いていたんだ、みたいな状態のときに、いつもは見ない方向から、知っている場所を見ると、あれ初めて来たところかな? みたいなことありますよね。あー、この道、ここに出るんだー、とか。

    私は駅前にコンビニが2軒あると思っていたら、入り口が2つある、1つのコンビニだったということがあります。おっと、それは違う話でした。

    話を戻します。なのでこの時点では、何かすごい不思議なことが起きたみたいな大袈裟な話というよりは、散歩あるあるみたいな感じです。ただ、このあと「北越地方のKという温泉に滞留していた」ときに、もっとすごい展開になるんですけどね。

    ヒントは「ある動物が出てきます」。きゃー、言っちゃった。

    っていうか、皆さん忘れちゃダメですよ、これ小説ですから。朔太郎が体験した話というわけではないですからね。明治・大正あたりの一人称小説って、著者が普通に作家として登場したり、実際に作家本人に起きたイベントをネタにしていたり、知人の作家が出てきたりして、フィクションなんだか、ノンフィクションなんだか分からないことありますが、『猫町』は朔太郎が書いた数少ない小説とされています。

    ネタバレですが、このあと北越地方のKでは、ある動物の「大集団がうようよと歩いているのだ」的なシーンが出てきます。きっと、幻想的あるいは怪奇的な感じを演出していると思うのですが、私の脳内では『ねこねこ日本史』とか『にゃんこ大戦争』が浮かび上がってきて、文学を鑑賞する邪魔をします。

    えーと、何の話でしたっけ。あ、そうだ、これ言っとかなきゃ。

    信じるか信じないかはあなた次第です(ビシッ)