私の感想文ルール: 一つ、昔見た映画を思い出しながら書いてもよい
見たのが昔とは言え、かなり繰り返し見たので、ギャメル刑事がレナードに会いに来た時に、
Lenny!
と呼びかける、ちょっと怪しい笑顔も鮮明に脳内再生できるほどです。
主人公のレナードには、妻を殺された事件の時に、自身も頭を殴られ、記憶が10分程度しか持続しないという後遺症があります。自分の名前や昔のことは覚えているけど、新しい記憶が保持できないという状態です。
これをどう表現するか? です。レナードはちょいちょい、「あれ? 今、俺 何してたんだっけ?」みたいな状況になります。この感覚を見ている人が疑似体験するために、編集上の工夫がこらされています。
例えば、各アルファベットがある「時点」だとして、A→B→C→D→Eという時間の流れだった場合、これをこの順番で見ていくと、映画を見ている人は因果関係を自然に理解できる反面、「今、何してたんだっけ?」という感覚は共有できません。
これを、
D→E、C→D、B→C、A→B
というシーン割りで見せることによって、各シーンの先頭で鑑賞者は、どういう場面なのかを、今与えられた断片的な情報から推理しなくてはいけない状況になります。これはある意味、鑑賞者のストレスになるんですが、レナードの心理状態を共有するという点で、非常に有効な演出になっているわけです。
・・・みたいな話は、ウィキペディアとか、読み解きサイトにきっと書いてあるので、そちらにお任せするとして、私としては、
レナードがはいているのは白いトランクス
という点に着目したいと思います。
レナードは記憶が持続しないので、覚えておかなくてはいけないと思ったことはメモに取ります。人の顔も覚えられらないので、ポラロイドカメラ(チェキのもっと立派なやつです)で写真をとり、写真にその人の名前や、どういう人物なのかを書き込んだりします。
メモや写真は無くしてしまう可能性があるので、本当に大事なことは体に書き込むのがよい、という正気の沙汰とは思えないポリシーに従い、レナードの体はタトゥーだらけです。きっと、日本の温泉には入れないでしょう。
このタトゥーは映画の重要な要素なので、それをさりげなく見せるべく、レナードはよく裸になります。そのときに、どんなパンツをはいているかは、笑福亭鶴光師匠じゃなくても、気になるところです。
レナード(ガイ・ピアース)は、なかなかの細マッチョです。もし、ビキニのセクシーなパンツをはいていたとしたら、それが気になって、話の筋を見失ってしまう可能性があります。そう、観客が記憶を失ってしまうかもしれません。
トランクスにするにしても、それが水玉だったりペーズリーだったり、微妙な柄だったり色だったりすると、レナードが置かれた悲劇的な状況の描写の邪魔をします。高級スーツやジャガーとも合いません。
ここはなるべくクセを排した、白のトランクス一択となります。


私はこの映画を見て、白のトランクスって意外とありじゃん、と思い「♪あれも!これも!デイリーファッションパレット♪」という店内ソングでおなじみの衣料品店 パレットで、イメージに近いものを購入してみました。
しかし、私はガイ・ピアースのような細マッチョではなく、どちらかと言うと太ポッチャの中年であるため、妻によれば「おじいちゃんみたい」な仕上がりになりました。
「Don’t wear white trunks.」というタトゥーを、お腹のあたり彫っておこうと思います。




