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勝手に読書感想文。漫画も映画も含みます

太陽の塔

『迷宮の人生』岡本太郎

よく分からなかった。しかし、分からなくても書くのが読書感想文。書かなければ宿題が終わらないからだ。

メインは岡本太郎氏の文章で、「迷宮」についての考察です。全部で130ページ足らずの本で、1ページあるいは見開きで2ページの作品の写真などもあるので、読み終わるのに1時間もかからないと思います。でも、岡本太郎氏のことをほとんど知らない私には、1時間で理解できそうにはありませんでした。

巻末近くに岡本敏子氏が書いた十数ページの文章があります。誰でしょうか? 裏表紙に略歴が書かれていました。

岡本敏子 おかもと としこ

1926年生まれ。東京女子大学卒業。’48年に岡本太郎の秘書となり、以来約五十年間、公私にわたり支え続ける。

岡本太郎との関係について、それ以上は書かれていません。苗字が同じということは奥さん? でも、妻とか結婚とかそういうワードもない。太郎より13歳年下。妹の可能性もなくもない。結局、Wikipediaで調べてみると、

出版社勤務を経て、岡本太郎主催「夜の会」で太郎と親しくなり秘書となった。事実上の妻であり、のちに太郎の養女となる。

なぜ、「事実上の妻」が、のちに「養女」になるのか? 謎は深まります。さらにWikipediaを読み進めると、

敏子が「妻」ではなく「養女」として太郎に迎えられたのは、太郎が結婚というものを望まなかったためということが、二人と親交のあった瀬戸内寂聴から語られている。太郎が結婚を望まなかった理由については明確になっていないが、テレビでは「両親(岡本一平・岡本かの子)の結婚生活に嫌気を感じていたため結婚を嫌い」というように触れられることが多い。

なるほど。この部分を知ると、本書の敏子氏が執筆した「迷宮をゆく太郎」の一節も理解できます。

(太郎は)幼い頃から、孤独な子供だった。

一平、かの子という壮絶な両親は自分たちの修羅に精いっぱいで、幼い太郎の心の闇なんかに振り向いている余裕はなかった。

上記を把握すると、以下の部分(こちらは太郎が書いた文章)も意味合いについての理解も深まります。第二章「夢こそイマジネーションの迷宮」より。

それから、また、まるで幼い頃の自分になって母親と散歩している夢。・・・・・・広々とした海原、そして緑の山、あたりにはニョキニョキと奇妙な建物がいっぱい建っている。私は母親に連れられて歩き回っている・・・・・・

両親の話はほとんどしなかった太郎が、夢について書いた文章や、夢について敏子に語った内容から、敏子は太郎のうちにある迷宮について考えを巡らせているわけです。

本書の主題に戻りますが、クレタ島のクノッソス宮殿を例に論考が始まります。このあたり、この宮殿のことやミノタウロスの伝説などを知らないとピンときません。わたしもピンときませんでした。

古代のヨーロッパの迷宮や迷路遺跡などの建築物を例に出しつつも、人間が迷い込むのはそのような具体的な存在、他者が作った迷宮ではないという方向に話が進みます。迷宮を作り出すのは己である、と。

その後、先述の夢の話があり、形状として表現することの困難さに触れ、幼少期、薄暗くなる頃に聞こえてくる「通りゃんせ」の唄声、イニシエーション(通過儀礼)、複雑化した社会システム(ここではカフカの「城」を比喩に使っています)、新宿や渋谷などの雑然とした繁華街の神秘性などにも触れています。

何か結論があって、そこに向かって論考を進めているというより、著者自身も迷い、試行錯誤しながら、人間のうちなる迷宮の正体を探ろうとしている感じ。

私が子供の頃、岡本太郎氏はバラエティ番組やCMにも出演していました。キャラが立つので、モノマネする芸人さんもいたりして。岡本氏が芸術について語るとき、観念的なワードが出てきて、話の流れも(凡人には)繋がりがつかみかねたりして、氏が書いた文章のトーンに、その時の語り口を思い出しました。

そして、岡本太郎氏と言えば数々の名言で有名で、『TAROMAN』なんかはその数々の名言が出てくるというだけで楽しめます。この本は名言を取り上げたものではないので、たくさん出てくるわけではないですが、岡本敏子氏があげていた、太郎の言葉がありましたので、それをあげて終わりにします。

「うまく行こうなんて思うな」

「常に危険な方、こっちに行ったら死ぬかもしれない、という方を選ぶんだ」

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