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勝手に読書感想文。漫画も映画も含みます

タグ: アニメ

  • 伏線だらけの『つくだ☆マジカル』(小田扉 著)

    好きな漫画家を問われれば、迷わず小田扉と答えます。小田扉先生の代表作は、なんと言っても『団地ともお』でしょう。アニメ化されたものがNHKで放送されていたので、ご存じの方も多いでしょう。私もアニメから入ったくちで、その後、コミック全33巻をそろえました。

    大くくりに言えば、『ともお』はギャグ漫画に分類されるのかもしれませんが、読んでいただければ、それだけではないことに気づくはずです。けっこう波があります。あたりはずれというか、好みににはまるはまらないというか。その時の企画次第のタモリ倶楽部みたいな。

    カラスや犬が主人公の回とか。友情のようなものの回とか。ひたすらくだらない回とか。最後までよくわからない回とか。で、そんな中に、第4巻に収録されている「幼なじみは元気かいともお」のような、とんでもない感動作が混ざっています。

    そして、ちょっと前に読んだ『フランチャイズ! つくだ☆マジカル』(全2巻)も、変な話でしt。そして、壮大なストーリーがありました。

    例によって、基本はギャグ漫画です。コンビニを経営しているおばさんが魔法使い(元魔法少女)であることを目撃した女子高生が、そこでバイトを始める、みたいな導入部です。

    魔法使いと魔物の対立みたいなファンタジーっぽい話もありつつ、戦いにやぶれ人間の世界に取り残された魔物たちの衣食住をささえるためのお弁当工場経営みたいな、変に実務的な視点でのストーリー展開もあります。

    私が好きなのは、モノに魂がやどるというエピソード。何話かにまたがって展開されています。コンビニの備品たちの反乱という伏線(?)があり、倒産した家電メーカーの工場に住み着く電気シェーバーの成仏、そして、あつみ(女子高生)曰く「ヒゲダルマって感じ。」(第1巻)の、ボナンザ(元魔法少女)の旦那さんの出生の秘密につながる流れのところです。くどくどと説明しないのがいいですね。神棚にひっそりと置かれたシェーバーとか、落ちて割れたダルマとか、動かないものに語らせるやりかたが秀逸です。

    ちなみに、この『つくだ☆マジカル』、時間があっちにいったり、こっちにいったりして、けっこう混乱します。冒頭に「〇年前」と書かれているのですが、それが1年刻みでさかのぼったりして、どの話がどこにつながるのか、わけがわからなくなるときがあります。が、それまた大きなドラマをつくる仕掛けになっているので、そこはガマンしてください。クリストファー・ノーランの映画みたいに、2, 3回読めば分かるのではないかと思います。

  • 『Bedtime for Frances』にみる日米の子育ての違い

    再度、フランシスシリーズを読みました。以前読んだのはこちら(A BIRTHDAY FOR FRANCES(フランシスとたんじょうび))で、今回読んだのは、

    『Bedtime for Frances』英語版 Russell Hoban (著), Garth Williams (イラスト)

    です。

    フランシスはアナグマの女の子で、

    You have to go to sleep so you can be wide awake for school tomorrow.

    (明日学校で起きていられるように、寝なきゃいけないよ)

    というお父さんの言葉があるので、6歳以上でしょうか。でも、行動の様子からすると、もっと幼いようにも感じます。

    就寝の時間になってもなかなか眠れずに、寝室にtigerがいるとか、giantがいるとか、something scaryが天井のひび割れから出てくるとか言って、まだ起きているお父さん・お母さんに伝えにいきます。

    そのたびに諭されて、寝室に戻るのですが、結局なかなか眠れず、最後のほうでは、もう眠っているお父さんのベッドの横にそーっと立っていて、お父さんをびっくりさせたりします。

    日本だと、これくらいの年齢なら、親のすぐ横で寝たりするんでしょうけど、Francesは別の部屋のベッドに一人で寝ているんですよね。そういえば、アメリカではかなり小さい頃から、それこそ赤ちゃんの時から、個室が与えられて、そこのベッドに一人で寝たりするみたいな話を聞いたことがあります。日本じゃ住宅事情的にも難しいでしょうけど。

    Francesが起きるたびに、両親ともに優しく接しているんですが、先ほどの別室ですでに寝ているお父さんを起こしたシーンでは、さすがに機嫌が悪くなっているみたいで。なぜカーテンが揺れるのかと尋ねるFrancesに、すべてのものにはjobがあって、風にはカーテンを揺らすjobがあって、お父さんには9時に会社に行くjobがあって、Francesには学校に行くjobがある(冒頭のほうにあげた台詞の箇所)と。

    もしその仕事をしなければ、”he(風) will be out of a job” となるし、”I(お父さん) will be out of a job” になっちゃうんだと。

    で、もしFrancesが今もし眠ろうとしないのなら・・・

    “I will be out of a job?” said Frances.

    “No,” said Father.

    “I will get a spanking?” said Frances.

    “Right!” said Father.

    (「私の仕事がなくなっちゃう?」 フランシスが言った。
    「いいや」 お父さんが言った。
    「おしり叩かれちゃう?」 フランシスが言った。
    「その通り!」 お父さんが言った。)

    なんだか、急に厳しいお父さんになりました。さっきまで、ミルクを飲ませたり、キスしたり、おんぶして寝室につれていったり、起きてきたFrancesにケーキを一口食べさせたりしてたので、落差に驚きます。

    これは日米というより時代でしょうね。昔は、頭を叩くのはさすがにダメだけど、尻ならいいとか、グーはだめだけどパーはいいとか、なんか閾値がそのへんにあったような。

    アニメのトムソーヤの先生は体罰用の小さな鞭を持ってましたよね。で、それで普通に何発も叩いてた。ゴールデンタイムの子供向け番組で。あと、クレヨンしんちゃんも漫画版ではよくゲンコツしたり、お尻叩いたりしてましたね。テレビアニメではそんなシーンは、もはや出てこないですね。

    そういえば、おんぶでFracesを寝室に連れていくシーンでは、お父さんはくわえ煙草(パイプ)してました。これも、今はなし、、だよなあ。

    なんかディスっているみたいななっちゃいましたが、このシリーズはFrancesの単語のチョイスが面白いので好きです。それで終わりにしましょう。Francesがよくやる即興ソングです。

    (略)
    C is crocodile, combing his hair.
    (略)
    U is underwear, down in the drier…

  • アニメ『秒速5センチメートル』と『小説 秒速5センチメートル』

    新海 誠 監督の映画はけっこう見たほうなんじゃないかと思っています。まず、あれだけ話題になれば見ずにはおれない『君の名は。』から『天気の子』。たしか、テレビで見たあとに、DVDで見なおしたと思います。

    過去の作品も見たくなって、『雲のむこう、約束の場所』や『言の葉の庭』も、自治体の図書館にDVDがあったので見ました。

    そして、『すずめの戸締まり』は飛行機の中で見たような。

    ところで最近、実写版の『秒速5センチメートル』が公開されましたよね。そういえば、アニメの『秒速5センチメートル』は見ていないなかったなーと思ったんですね。見ていなかった理由は、図書館になかったから。

    で、ふと、転校した女の子に会いに、男の子が電車を乗り継いで行くんだけど大雪で到着が遅れて、みたいなアニメを見たという記憶が蘇って、何だったかなー、新海誠だった気もするし、そうじゃなかった気もするし。

    ChatGPTに聞いてみると、それは新海誠監督の『秒速5センチメートル』ですね、だって。

    図書館にないのに、見たらしい。どうやって? テレビで放送はされてないし(実はフジの関東ローカルでやっていたらしいが、それは知らなかった)。まさかと思い、家のDVD(など)入れ(プラケースに入れてしまいこんでいる)を見てみると、そこにありました。Blu-ray版のやつが。

    買っていた・・・

    買って、見て、しまって、忘れて、そういえば見てないなーと思ってました。そう、こういうのが老いるショック(©みうらじゅん)なんですね。もう一個買う前に気づいて良かったです。

    ということで、これを記念して、アニメ版をもう一度見るのではなく、小説のほうを読んでみることにしました。大学生の子供が持っていました。なんかぼろいなーと思ったら、ブックオフの値札が貼ってありました。

    新海誠の小説を読んだのは初めてです。映画(アニメのほう)を見た直後なら、細かい相違について語れるのですが、なにせ、映画を見たことも忘れていたくらいなので、違いはよくわかりません。が、あー、こんなシーンあったなーってのはありました。映画のほうは、そんなに情報が詰め込まれていなかったはずなので(タランティーノの映画みたいなしゃべり倒したりはしないので)、いろいろなディテールを確認できるのではないのでしょうか。

    ふと思ったのですが、小説のほうは『小説 秒速5センチメートル』という感じで、タイトルに「小説」ってついているんですね。アマゾンとかで区別しやすいように、でしょうか。

    でも、『アニメ 秒速5センチメートル』というふうに、「アニメ」とはついていないので、実写版と区別しにくいですね。実写版がDVD・Blu-ray化されたら『実写版 ~』という感じのタイトルになるのでしょうか。

    誰かに買ってきてと頼まれたときは、念を押す必要がありそうです。そっちのほうも見てみたかった、みたいな状況ならハッピーエンドですが、「普通、実写版とか見るかね」みたいなアニメ原理主義者だったら、関係に亀裂が入ってしまうかもしれません。

    今、ちょっと検索してみたら、コミック版なんてものがあるじゃないですか。

    あと、通常(?)の角川文庫版(でも、最初の文庫化は文庫ダ・ヴィンチ版とのこと)以外にも、角川つばさ文庫版というものもあります。

    こちらは、新海誠(作)となっているので、内容は同じなのでしょう。角川つばさ文庫というと、いわゆるヤングアダルト(中高生向け)のシリーズなので、漢字のフリガナなんかはたくさん(なんなら全部)つけてあったりするはずです。

    もし、小説のやつ買ってきてと言われた場合、漢字に弱そうな友人なら、角川つばさ文庫版を買って行ってあげると・・・キレられるかもしれません。