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勝手に読書感想文。漫画も映画も含みます

ノーベル化学賞 硤合憲三先生の本の探し方

(アイキャッチ画像は Nobel Prize in Chemistry 2026 – Popular information – NobelPrize.org より)

説明するまでもないと思いますが、硤合そあい憲三けんそう 東京理科大学 栄誉教授(受賞で名誉教授→栄誉教授になったらしい)が、2026年のノーベル化学賞を受賞しました。

過去のノーベル賞受賞者が書いた本というのがけっこうあって、例えば、2025年の生理学・医学賞の坂口志文先生は『免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか』という本、2002年の物理学賞の小柴昌俊先生は『ニュートリノ天体物理学入門』という本を出されています。そして、なんと1968年の文学賞の川端康成先生は『雪国』という本を出されています。(笑うところですよ)

上記であげた、坂口先生と小柴先生の本はブルーバックスという入門者向けの新書シリーズで、専門家でない人間にとってもノーベル賞を受賞した研究業績や技術を理解できる点でとてもありがたいです。

ということで、硤合先生も何か本を出されているのではないかと思い、探してみるわけです。でも、アマゾンで「硤合憲三」、「硤合」、「そあい けんそう」などで検索しても、少なくとも現時点(2026年10月11日 現在)では、それらしいものはヒットしません。

硤合先生は本を出していないのでしょうか?

「読書のまち・かわさき」こと川崎市の市立図書館のサイトでも検索してみました。そもそも珍しい苗字なので、「硤合」だけで検索してみます。結果、「該当データが見つかりませんでした。」とのこと。

念のため、「そあい」でも検索してみると、なんとヒットしました!

書名:『キラル化学: その起源から最新のキラル材料研究まで』

著者名:日本化学会/編

シリーズ名:CSJ Current Review 13

出版社:京都 化学同人

出版年月:2013年10月

とのこと

単著ではありませんが、硤合先生の書かれた章がありました。

内容 不斉自己増殖とホモキラリティの起源 p148-155

 著者
 【ソ】合 憲三/著 (【ソ】合 憲三/ソアイ,ケンソウ)

 著者
 松本 有正/著 (松本 有正/マツモト,アリマサ)  

「硤」という字が特殊なのでしょうか、「【ソ】合」なんて、へんな登録になっていました。これじゃ、ヒットしないですよね。「ソアイ」とカタカナ表記もありますので、こちらにヒットしたのかもしれません。

漏れをふせぐため、「【ソ】合」でも検索しなおしてみました。すると、もう一冊ありました。こちらは雑誌ですね。

誌名:『現代科学』

巻号:2025-9 2025.09.01 通巻654

発行所:東京科学同人

硤合先生が書かれた場所は、以下です。

解説
 生命のホモキラリティーの起源-不斉自己触媒反応で迫る-
 川崎常臣 【ソ】合憲三 p55

どちらとも、ニュースや新聞で触れられているものよりも詳細な内容になっています。硤合先生の業績について、詳しく知りたい方はどうぞ。

・・・でも、ある程度化学をやっている人を読者層としたものと思われ、ちょっと難しかったです。そんな、あなたには(私には)、以下にあげるものがおすすめです。

公益財団法人 東レ科学振興会が、2015年に「不斉自己触媒反応の発見とホモキラリティーの起源の研究」の業績に対して、硤合先生に「東レ科学技術賞」を授賞しています。

一方、ノーベル賞の授賞理由(ノーベル財団発表のもの)は、

“for the discovery of non-linear effects and autocatalysis in asymmetric organic synthesis”

「不斉有機合成における非線形効果および自己触媒作用の発見に対して」のような意味で、不斉≒キラリティーで、右手と左手の関係。両者が存在するけどなぜか左手型のアミノ酸ばかりで生物が構成されているから「ホモキラリティー」。「非線形効果」とは、両者が比例関係(半々とか、6:4)とかにならずに、片方ばかりが生成されるような触媒反応を見つけたということなので、両者はほぼ同じ内容を指していると考えてよさそうです。

そして、この東レ科学技術賞の授賞理由の「中高生向け解説」がわかりやすいと評判です。東レ科学振興会のサイト

受賞者一覧 | 東レ科学技術賞 | 表彰 | 公益財団法人 東レ科学振興会

の、2016年の「研究業績」「受賞者」の欄からPDFファイルにリンクされています。

中高生向け解説:
 私たちは、握手するとき通常は右手どうしを出します。このとき、もし自分が右手、相手が左手を出して手を握ると、正常な握手とは随分異なった状態になってしまいます。実は、・・・

のような、語り口で書かれています。図はなく、文章のみです。なのに分かりやすい! 図でなんとなくごまかすのではなく、読み手が知らないであろうところ、疑問に思うであろうところが、言葉でしっかりと説明されています。やっと、わか(ったような気にな)ることができました。中高生になった気持ちで、上記にリンクしたPDFファイルを読んでみてください。

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