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勝手に読書感想文。漫画も映画も含みます

17歳のときに知りたかった 受験のこと人生のこと。(びーやま著)

ウェブの記事(17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。 | ダイヤモンド・オンライン)を読んで、面白かったので、図書館で借りてみました。けっこう予約が入っていて、2,3か月は待ったと思います。

この本のすごいところは、大人はみんな薄々感じているけど、中高生くらいの若者に正面切って伝えることはないような、世の中の仕組みをストレートに伝えていることです。それは、日本はいかに学歴社会であるか、という点です。

他の先進国に比べて日本が特別に、というわけではないのですが(本書には中国、韓国、アメリカの事例についても触れていました)、少なくとも日本も学歴社会である、と。

まず、ネガティブな側面が強調されます。学歴が与える偏見や学歴による差別など。何も迫害されるわけではありませんが、比較・評価されるときに、学歴がいかに「効く」か。逆にそれがない人がどれだけ不利になるか。

まずは就職ですよね。大手企業にはたくさんの就職希望者が集まります。人事の人もちゃんと見てられないですよ。有名私立や国公立の大学名でフィルタせざるを得なくなる。1次選考通過者のデータがもし手に入れば、その法則性は簡単に読み取れると思いますよ。

機械学習をやったことのある人ならイメージがわきやすいかも。就職希望者のデータといったら何があるんですかね。説明変数です。年齢、性別、大学名、学部・学科、大学での成績、浪人・留年の有無、資格、大学の立地・居住地。あとは、自由記入欄のキーワードなどから特徴量を抽出して・・・といろいろ頑張って、ランダムフォレスト(ごくごく素朴な手法)かなんかで数秒で学習が終わって、変数の重要度を見たら、大学名で90%決まってます、みたいな。他の変数も効いているけど、数%ずつとかね。

就活において、「学歴がすべてではない」というのは真実ですが、そのあとに補足が必要ですね。「でも、ほとんどである」と。

あ、なんか体裁をそれっぽくすると、格言みたい。

Educational background isn’t everything, but it’s almost everything.
       Nanka=Sonna=Kigasuru (1973-2026)

就職のあとも、他者と比較される場面はそれなりにありまして、異動のときとか(希望者の募集とか、プロジェクトメンバーの抜擢とか)、あとは昇進試験とかね。転職するときは、ふたたび履歴書に書くことになるだろうし。

以前勤めていた会社での話なのですが、普段は誰がどこ大学だなんて、気にもしないのですが、ふとしたことでそんな話題になったときに、まわりじゅう早稲田・慶応だらけでびっくりしました。派閥の人事採用枠でもあるのか?と思うくらい。

面接官をやったことのある人なら分かると思いますが、めちゃくちゃ疲れますし、時間もとられます。できることなら、人数をしぼってから、少人数を面接したいと思いますよ。学歴フィルタは必然の流れです。

あと、大手企業で面接官をしている人は、たいてい高学歴ですからね。親が自分の受けてきた教育を過剰に良いものだと判断して、自分の子も同じようにしたがる(女子校に行ったお母さんは娘を女子校に行かせたがる)という話を聞いたことがあります。面接官が、自分の歩んできた道と似た道を歩んできた志望者をひいき目に見ないとは言い切れません。

これも若干ネガティブな響きになるのですが、あなたが天才なら学歴はいらないけど、そうではないでしょ?という話。大谷翔平選手やZOZOの前澤友作氏、吉野家の河村泰貴社長(現在は会長)が高卒である例をあげてました。そういえば、藤井聡太名人にいたっては学歴上は中卒になりますからね。でも、高学歴が不要な職業は存在しますし、経営の手腕みたいなものに必須なものでもないのでしょう。でも、それはごく一部の例外であると。

ドラゴン桜の「バカこそ東大に行け」みたいなフレーズとも共通点がありますね。バカなんだから、学歴くらいつけておかないと、搾取される側になるぞ、みたいな。

では、不利にならないようにするためにだけ、意味のない学歴を身につけるべく、今は我慢しなさい、みたいな後ろ向きな話ばかりかというとそうではなく、なぜ学歴に意味があるのか、というあたりもちゃんと語られています。

学歴は、あなたが「頑張れる人」であることを証明してくれる

範囲が決まっている勉強も頑張れない人がほかのことでも頑張れるのだろうか

学歴だってその人が頑張った立派な証じゃないか

など、学歴の意味を確認できたり、モチベーションを高めたりできるようなフレーズも散りばめられています。

3つ目のものを補足すると、3年間野球に打ち込んで甲子園に行った、というのは大抵評価されるし、大っぴらに語られるのですが、 勉強を頑張って東大に合格しました、というその部分を特に強調することはあんまりないですよね。

甲子園に行った人に、「プロ野球選手にならないんだったら、意味なくない?」みたいなことを言う人はいません。たぶんいないと思う。いないんじゃないかな。ま、ちょっとはいるかも。(©さだまさし)

明確なルールがある同じフィールドで努力して、優秀な成績を収めたんだったら、それ自体に価値があるし、それを誇ってもいいんじゃないかということですよね。

私が感銘を受けた部分はほとんど第一章(本書では「1時間目」と表記)に載っていました。わたくし的には一番「濃い」章でしたね。後半はだんだんライトになっていく印象でした。これもやっておいてもいいかも的な話とか。より今の高校生の人に向けたメッセージに近いところかも。オバフィフ(50代以降)の私としては、話が若すぎてピンとこないところもありました。「こう考えちゃうかもしれないけど、こうですよ」という話の展開で、「こう考えちゃう」・・・のか? と、話が入ってこなくなる感じ。私が言いたいこと伝わってますでしょうか。まあ、いいや。(年をとると諦めが早くなる)

語り口が軽いのと、細かく段落が切ってある(ウェブ記事っぽい)のと、対談のページなんかもあるので、分量的にはさっと読める感じです。私は、通勤時の、行き、昼休み、帰り、で読み終わりました。昼ご飯も食べたし、満員電車ではずっと読めるわけじゃないけど、それを引いても1日で読める分量でした。

では、勉強に戻らなきゃいけないので、このへんで。

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