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勝手に読書感想文。漫画も映画も含みます

『怪談』(小泉八雲)の子供向け版

ポプラポケット文庫の『怪談』(著 小泉八雲、訳 山本和夫)を読みました。たぶん朝ドラの『ばけばけ』を見てたからでしょう、妻が図書館から借りてきました。

子供向けの本は振り仮名がしっかり振ってあるのがいいですね。初出の漢字にはほぼすべて振ってあるし、読みが難しいものは、二度目以降にも振ってありました。いい年した大人なので大抵の漢字は読めますが、この手の話だと、地名とか昔の人名とか出てきて、そういうのは読みが特殊だったりするので、振り仮名があると安心して読めます。

何度かあったんですよね。大人向けの小説読んでて、読み終わるまで主要人物の名前を読み間違えてることに気づかないとか。心の中でずっと違う読み方で呼んでたみたいな。

この本、タイトルが『怪談』だったんで、オリジナルの『怪談』を子供向けに翻訳したものかと思ったら、オリジナルとは収録作品が違うんですよね。18編収録されていて、そのうち『怪談』からの収録は、前半の10編だけです。オリジナルの『怪談』は20編あるので、抜粋ですね。

それ以外については、「約束をはたした話」(=「守られた約束」)、「果心居士の話」、「梅津忠兵衛の話」、「乙吉のだるま」は『日本雑記』から、「茶わんの中」は『骨董』から、「草ヒバリ」は『日本の面影』から、「鳥取のふとん物語」は『知られぬ日本の面影』から、のように複数の著書からのよりぬきとなっています。

なので、『怪談』の収録作品を全部読みたいという場合には向かないですが、小泉八雲の代表作を読みたいという場合にはちょうどいいのではないかと思います。

「怪談」と聞くと、学校の怪談とか、稲川淳二とか、本気で怖い系を想像してしまいますが、収録されているのは、怖い話というよりはちょっと奇妙な昔話といった感じです(村上豊さんの挿絵も昔話っぽいテイストだし)。気の毒だったり、可哀そうだったり、不思議だったりはしますが、夜トイレに行けなくなるような怖さではないので、ご安心を。

「乙吉のだるま」は物語ではなく、焼津に滞在したときの体験談みたいな感じです。滞在のために二階の部屋を貸してくれたのが魚屋の乙吉で、食事も彼に用意してもらっていたみたいです。

店に目が1つのダルマが飾ってあるのを見て、なぜ1つなのか、そのわけを尋ねるエピソードがあったり、村を去るときに、つけ、、にしていた食事の勘定をきくと驚くほどやすかったりみたいなことが伏線になっていて、去り際にダルマを見ると目が2つになっていたというオチがあったりします。起承転結を盛り込んだエッセイみたいで、なかなか面白く読めました。

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