ついに4作目(単行本だと4章にあたる)の『夏帆とモーターサイクルの男、そしてスカーレット・ヨハンソン』です。
1作目は30枚(目測)、2作目は130枚、3作目は150枚、そして、この4作目はなんと250枚です。小説の長さを「枚」で表すやり方を最近知ったので、全然ピンと来ませんが、相対的に増えていっていることは実感できます。
読み始める前にやることがあります。「スカーレット・ヨハンソン」とは何でしょうか? 調べておかないと、読んでいる途中でよく分からないものが出てきて、よく分からないまま進行することになってしまうかもしれません。それだけはさけたい。スカーレット・ヨハンソンが空から降ってきたり、スカーレット・ヨハンソンが忍び寄ってきたり、スカーレット・ヨハンソンがレコードプレイヤーから聞こえてきたりしたときに、イメージすることができません。
普通に考えて人名でしょ、という方もいるかもしれません。しかし、ハーレー・ダビッドソンがオートバイなら、スカーレット・ヨハンソンがそうでないとも限りません。モーターサイクルの男がスカーレット・ヨハンソンに乗って現れるかもしれません。いや、もしかしたらお笑いコンビのグループ名かもしれません。最近の芸人は小洒落た名前をつけたりしますからね。ロングコートダディとか(とか?)。
調べてみたところ、アメリカの女優さんでした。普通でした。スカーレット・ヨハンソンは夏帆の描く絵本(つまり作中作)の中に登場します。主人公は10歳の女の子のミソラ。そのミソラと森の小屋に住んでいる老人の会話です。
「おじいさんはその猫のことを知っているのですか?」
「知っている」
「名前はあるのですか?」
「ああ、スカーレット・ヨハンソンという」
「あの女優の?」
ミソラの台詞によって、スカーレット・ヨハンソンが女優の名前であることが分かるように配慮されています。でも、10歳の女の子がスカーレット・ヨハンソンを知っているでしょうか。まあ、夏帆が考えている絵本のストーリーですからね。夏帆は20代なので知っていても不思議ではないかもしれません。50代の私は知りませんでしたが。
第4章は最終章ですから核心に触れるとネタバレになってしまいます。新潮社と法廷で会いたくはありませんので、核心には近づかず、周囲をグルグルと回ろうと思います。こんな暑い日に回りすぎると、最後はマーガリンになってしまうかもしれません。えぇ、そう、私は庶民派なんですよ。
こんなシーンがありました。
夏帆はその向かい側でコーヒーを飲み、トーストに満遍なくバターを塗った。
やっぱりこういうときに「マーガリン」という食材は選択されません。スーパーの売り場を見てみてください。比率から言って、日本の家庭では圧倒的にマーガリンなはずです。なぜでしょう、マーガリンは文学においてなかなか市民権を得られないみたいです。トランス脂肪酸がいけないのでしょうか。しかし、最近は企業努力によって、かなり低減化された製品も出ていると聞いています。私は何の話をしているのでしょうか。
お気づきでしょうが、作品について語ることを半ば放棄しております。しいて言うと、思っていたのとけっこう違いました。実は、村上春樹さんの作品は数作しか読んだことがなく、しかも、その数作が何だったかもちょっとあやふやで、物忘れ外来に行こうかと思っています。
たしか、空から魚が降ってくる話だったような・・・。豚が降ってくる絵本は脳裏に焼きついているんですが。あと、色のない男性が体を鍛える話も読みました。あと、登場人物の煙草のポイ捨てに関す感想で、町議会議員が抗議してきたやつとか。イエスタデイの替え歌を登場人物が歌ったら、権利者がたかりにきたから連絡がきたものとか。村上さんは揉めそうになると、さっと引くところがいいですよね。相手にしない感じ。金持ち喧嘩せずです。
では、恒例の「『やれやれ』を探せ」のコーナーです。
意外な人が、組織の都合について語る場面です。誰であるかは、読んでのお楽しみ。ヒントは「上の方」です。ある意味、かなり上です。
「できるだけ有益なアドバイスを、できるだけ曖昧な形でクライアントに与えることが、(略)それが上の方の――ずっと上の方の――基本的な方針なんだ。理解してもらいたい」
やれやれと夏帆は思った。
では、2つ目。
大型モーターサイクルに乗った自称ジャック・ケルアック・・・・・・やれやれ、しかしどうしてそんなへんてこなものがわざわざ私の(略)
また、知らない人の名前が出てきました。アメリカの俳優ではないかと踏みましたが、あえて検索しないのが、男の矜持です。
そして、3つ目。
「(略)と思うんだけど、同意してくれるかしら?」、やれやれ、そんなことが実際に口にできるものだろうか?
「他にも見つけたよー!」というお子様は、コメント欄にでもお願いします。10ガバス差し上げます。
ちなみに、記事につけたタイトルは若槻千夏さんの往年のブログのタイトルへのオマージュであります。若槻さんがブログを閉鎖する際に、マーボー豆腐が飲み物ではないことを認めたように、私もこのブログを閉鎖する際には、スカーレット・ヨハンソンが乗り物ではないことを認めるでしょう。


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