知りませんでした。そんなことが原因の痛みがあるなんて。
『慢性疼痛 ― 「こじれた痛み」の不思議』(平木英人著)の表紙には、
痛みという、本人にとってこれ以上ないくらい確かな症状が医学の対象となったのは、案外最近のことです
と書かれています。はて? 医者に行って、どこかが痛いと言えば、その「原因」を見つけて(少なくとも探して)くれるし、何か痛みが生じていれば、それを和らげるような薬を出してくれたりします。
医学の対象となっていなかったとはどういうことでしょうか?
医師も、一般診療科(精神科や心療内科以外の科です)であれば、「痛みがあればそれに対応する身体的病変があるはずだ」と考え、X線や超音波、CT、MRIなどさまざまな検査を行って、その原因(身体的所見)を見出そうと努力します。
え、そうじゃないの? 原因があるから痛んでいる。その原因を取り除けば痛みはなくなるし、痛みがあるなら身体的な原因がある・・・というわけではない???
ですが、体に原因がなくても痛みは起こるのです。
病院で何度検査しても体に異常がまったく見られない、または少し異常がありそうだが患者さんが訴えるほどの激痛とはなり得ないと判断され、しかもそれが六か月以上続く場合、一度は心因性の疼痛を疑ってみる必要があります。
そのような患者さんのためのクリニックを開業しているのが、著者の平木英人先生というわけです。
なるほど、医者に行って、痛みの原因をいろいろ調べて、それらしいものが見つからなかったら、「異常ないですね」と言われて終了。それ以上何もしてくれない(してあげられない)というクリニックも多いんじゃないんでしょうか。もう、専門分野外なんでしょうね。そういう意味で、痛み自体を対象と捉えることが始めたのは「案外最近」だということなんでしょう。
心因性の疼痛というのは、器質的な(身体的な)原因がないのに痛みが起こることらしいです。過去の事例として、旦那さんの浮気だったり、面倒を見てくれている娘が多忙で会話が減っていることだったり、一見、かまってちゃんの詐病では?なんて思ってしまうのですが、患者にとっては本当に痛いし、患者からしてみたら、こんなに痛いのにこれが精神的なものだとは信じられない、というものらしいです。
ちなみに私も最近、激痛を感じることがありました。痛風でした。血液中の尿酸濃度が上がり、関節付近で結晶化し、これを異物とみなした免疫細胞が炎症を引き起こし、その炎症のために痛むものです。だいたい足が明らかに腫れますし、エコーで尿酸の結晶らしきもの見えるなど、原因がはっきりしていますので、平木先生のお世話にはならずにすむやつでした。すみません、最後に関係のない話をしてしまいました。

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