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勝手に読書感想文。漫画も映画も含みます

『武蔵境のありくい』とビーチ・ボーイズ

村上春樹の『夏帆 The Tale of KAHO』が発売されるちょっと前に、自治体の図書館サイトで検索すると、文芸誌に掲載されていたときの号がヒットしました。

『新潮』(2025年5月号)に掲載されていた最初のページには、

|創作|

武蔵境のありくい ――〈夏帆〉その2
村上春樹

と(縦書きで)書かれていましたので、単行本の2章にあたる部分でしょうか。

朗読会で披露された1作目(1章)は、なんか嫌なやつの話でしたが、2作目はいきなりファンタジーチックにはじまります。いきなりありくい、、、、が出てきます

単行本の表紙にありくいがあしらわれていたので、関係があるのだろうなとは思っていました。

実は、1作目にもありくい(の話)はちょっとだけ出てきてて、

「そして、その好奇心は満たされたか?」と男はコーヒーを一口飲んでから言った。間違いない。彼は夏帆の心の動きを残らず読み取っている。アリクイがその細長い舌の先で蟻の巣を舐め尽くすみたいに。

たしか、そこだけでした。さすがにそこだけで、表紙にはしないだろうと思っていたら、2作目にはばっちり登場していました。助演女獣賞です。(主に出てくるのは奥さんありくい)

しばらく読んでいて、夏帆が登場する以外は、1作目とのつながりもほとんどないし、これは長篇というよりは連作短篇では? と思いかけていたとき、

(夏帆がありくいの奥さんに問いかける場面)

「どんな音をご主人は耳にされたのですか?」

「大きなエンジンの音です。どうん、どうん・・・というような野太い機械音。(略)」

出た! あの男だ。ということで「長篇」でした。夏帆は、たまたま会うことになった怪しげな男に心を乱されかけましたが、無事克服できました、めでたし。ではなく、続いていたのですね。

ネタバレするとよくないので、些末なことを膨らましていきたいと思います。そう、いつものように。

村上春樹といえば、作中に登場する音楽が話題になることがよくありますよね。Tower Recordがこんなプロモーションをしていました。

村上春樹最新作『夏帆 The Tale of KAHO』に登場するクラシック音楽

でも、上記には載っていない曲がありました。なぜならクラシックではないからです。しかも、流れてもいませんが。

しかし、それはそうと、このありくいの夫婦はビーチ・ボーイズの『グッド・バイブレーションズ』を聴いたことがあるのかしら?

『グッド・バイブレーションズ』といえば、映画『バニラ・スカイ』での使われ方が好きでした。シーン的には、かなり苦境に立たされた場面でしたが、そんなタイミングでの『グッド・バイブレーションズ』です。違和感が効果的でした。

ところで、『バニラ・スカイ』で私が好きなシーンは、トム・クルーズが振っているときに、いつの間にか入れ替わっていて、大いに戸惑いながらも、振り続けるところです。明確に書くと、グーグル検索に良からぬ影響を与えるかもしれないので、主語や目的語を欠いた不完全な文章でお送りいたしております。

話を戻しますと、今回、タイトルにも入っているように「武蔵境」が大きくフィーチャーされております。さて、どんな風にとりあげられているのでしょうか?

武蔵境に引っ越すことを、夏帆が叔父に告げるシーンです。

「武蔵境?」と叔父は首を傾げ、あきれたように言った。

「なんだってよりによって武蔵境なんかに越そうと思いついたんだ? おまえ、武蔵境がどういうところか知っているのか?」

夏帆は首を振った。「何も知らない。まだ行ったこともない」

「おれは学生のときに何度か武蔵境に行ったことがあるけどさ、あれはひでえところだぞ。まさに文明の果つるところだ」

お、大丈夫でしょうか中頓別町のときのみたいなことにならないでしょうか。単行本では書き変えられてたりしないでしょうか。多摩境になってたりして。それでも大勢に影響はありませんが。

と言うわけで、作品の本筋には触れないまま、駄文を弄し倒したまま、次の3作目に読み進んでいこうと思います。

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コメント

“『武蔵境のありくい』とビーチ・ボーイズ” への1件のフィードバック

  1. […] 突然ですが、続いて「聖地を探せ」のコーナーです。前回の聖地は「文明の果つるところ武蔵境」でした。今回はどこでしょうか? […]

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