この本(『桐島、部活やめるってよ』(朝井リョウ著))を読もうと思ったきっかけは、『あの本、読みました?』というBSテレ東の番組に著者の朝井さんが出ていて、なんかとてもサービス精神が旺盛な人で、この人の書く本なら面白そうと思ったから。
サービス精神という言葉が合っているのかどうかは分からないが、新聞書評の回では、対象の書籍が選ばれるプロセスや、自身が書評を書く際のこだわりなどを話していて、「本好きに贈る本好きのための番組」(番組の冒頭にこんなフレーズが出てくる)の視聴者が聞きたいであろうツボを押さえていて、きっと事前に話すネタをきっちり準備してしていたんだろうなーと。あと、番組後にこれも話しておけばよかったというのを思い出して、番組のスタッフに連絡をいれる点とか、自身の特集の回には詳細な年表を作ってきたり(番組側はそこまで要求はしていないのに)。伝えたい、という気持ちがひしひしと伝わってくる作家さんなのだ。
朝井さんの作品で最初に読んだのは『何者』(過去記事:『何者』と『富士山』と『傲慢と善良』)で、こちらを読んだときにも感じたのが、朝井さんは、普段意識しないような自分の(あるいは多くの人の)イヤなところをついてくる。
あからさまにイヤなやつのイヤなところではなく。自分で気づいているような、ある意味分かりやすい自分のイヤなところ(大抵の人にはあるでしょ?)でもなく。
学校ではいけてる(死語?)ほうの登場人物である菊池宏樹が、これまたいけてる自分の彼女の沙奈の様子を見ながら、何かもやもやしているものをつかもうとしているシーン。
(略)ダサいかダサくないかでとりあえず人をふるいにかけて、ランク付けして、目立ったモン勝ちで、そういうふうにしか考えられないんだろうな。
だけどお前だってそうだろうが、と、夕陽に長く伸びる自分の影を見て思った。
自分のことを棚にあげることはよくあることで、自分のことを棚にあげるのはよくないって指摘したりするのもありふれたことで、でも、そのことを直接言うんじゃなくて、ストーリーで語られると、グッとくる。ヒヤリとしてハッとする。事故を起こす前に悔い改めたい。
あと、多くの人がご存知かと思うが、いつ思い出してもジワるので、これはリンクしておきたい。
「桐島すでに部活やめてた」、3万2000人がリツイート | ねとらぼ


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