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勝手に読書感想文。漫画も映画も含みます

投稿者: 管理人

  • 『Charlie and the Chocolate Factory』の原作(英語)と映画

    『CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY』(ROALD DAHL著)を読みました。映画の『チャーリーとチョコレート工場』(ティム・バートン監督)を見た方、知っている方は多いと思います。あの映画の原作です。

    英語の多読を始めたのは20年以上前(注:20年以上続けているという意味ではない)で、最初はGraded Readers(英語学習者のためにレベル分けし、語彙をしぼったもの)や絵本から入っていったのですが、英語を読むことに慣れてきたら、「そろそろ児童文学」「いつかは児童文学」みたいなところがあって、ロアルド・ダールと言えば、真っ先に候補にあがる児童文学作家というイメージでした。

    で、当時は結局ロアルド・ダールは読まず、『ダレン・シャン』などを読み始めたものの、挫折したという記憶があります。

    今回、『CHARLIE and …』を読み終えられたのは、映画を見たことがあったので、話の筋はある程度分かっていたというのが大きいです。登場人物のイメージはある程度できているので、人物の形容で知らない単語が出てきても気にしすぎずに、映画を思い浮かべながら「おおかた こんな意味だろう」と読み流せたからのような気がします。

    いやね、出来事の流れを書いてあるところって比較的 読みやすいんですよ。難しいのは、人物の形容のところ。

    例えば、一人目のTicket FounderであるAugustus Gloop(お菓子ばっかり食べている太ったあの子ね)を形容している箇所

    Great flabby folds of fat bulged out from every part of his body, and his face was like a monstrous ball of dough with two small greedy curranty eyes peering out upon the world.

    難しいでしょ。ちなみに太字イタリックは私が知らない単語。よくよく考えるとmonstrousがmonsterの形容詞だというのは分かるんだけど、出てきた瞬間にはピンとこない。あと、doughもピザやパスタを作るって話の流れで出てきたらすぐに理解できるけど、人の形容で”a monstrous ball of dough”と言われても、はて?となっちゃう。一行に一つ以上知らない単語が現れるとさすがに厳しい。

    でも、このあたりは映画を思い浮かべつつ、太ってて、貪欲で、なんか醜い感じを表現しているんだろうなー、くらいで流してしまうのが良いような気がします。

    チャーリー以外の4人の問題児や、彼らの工場での受難(因果応報)は映画で忠実に表現されていたような記憶があるので、そこはそれを思い出せればOKということで。(映画を見たのはだいぶ前で、テレビ放送されているのを見ただけなのでちょっとあやふやではありますが)

    映画と違う点もありました。映画では、Willy Wonkaと父親の確執が描かれていましたが、原作には出てきませんでした。

    あとラスト近くで、映画では工場への引っ越しはChalieひとりでと言われ、家族と暮らすことを選び、工場の跡継ぎは辞退する(少なくとも一旦は)という流れだったと記憶しています。原作では最初から「家族みんなで」というWonkaからの申し出でした。それでも引っ越しは嫌だという寝たきりのおじいちゃん・おばあちゃん3人。さて、どうなる・・・? という展開でした。

    翻訳の書籍や映画でストーリーを把握したうえで、原作(英語)でそれをなぞってみるというのはハードルが低くて、なかなかよさげな感じでした。

  • 『ハリー・ポッターと賢者の石』と『マルコヴィッチの穴』

    今さらながら、『ハリー・ポッターと賢者の石』(J.K.ローリング 著)を読んでみました。子供(中学生)から借りました。「賢者の石」は、シリーズの第一作目で、私が読んだのは、「1-1」と「1-2」の2冊に分かれた新装版の文庫本です。2冊に分けるほどの分量ではないのですが、字が大きめで薄めの文庫なので、電車の中で読むのにはとても都合がいいです。

    私は知らなかったのですが、ハリー・ポッターの日本での翻訳・出版権を持っているのが、静山社という小さな会社(今ホームページを見てみると、社員数は6名と書いてある。……6名?)で、そのあたりのエピソードは「1-2」のほうのあとがきに書かれています。

    で、ハリー・ポッターといえば、キングス・クロス駅の「9と3/4番線」ですよね。同意してもらえなくても結構。

    帯に書いてあるし、「9と3/4番線からの旅」という1つの章になっているくらいです。

    ハリーは、とてもいやな感じのバーノンおじさん・おばさんに預けられて、そこで育ったのですが、駅に送ってもらうときに、バーノンは、

    「そーれ、着いたぞ、小僧。九番線と・・・ほれ、十番線だ。おまえのプラットホームはその中間らしいが、まだできていないようだな、え?」

    のように、例によって、小ばかにしたような言葉を残して帰ってしまいます。

    「中間じゃないよ。ちょっと10番線寄りだよ」と、ハリーは言いませんが、どうやって9と3/4番線から列車に乗るかは、読んでのお楽しみ。そして、こんな中途半端な数字が振られたロケーションといえば、「7と1/2階」が登場する映画『マルコヴィッチ穴』ですね。

    ちなみに、マルコヴィッチの穴に登場するオフィスビルの7と1/2階で降りる方法は、エレベーターの緊急停止ボタンを押して、ドアをバールでこじ開ける、というものでした。

    ハリーもバールを使うんでしょうか。

    そして、中途半端な分数と言えば、S&Bが昔「5/8チップ」というのを出してました。

    ポテトチップス – Wikipedia

    日本では1976年にヤマザキナビスコ(現・ヤマザキビスケット)が「チップスター」を発売[22]。1978年にハウス食品工業(現・ハウス食品)が「ハウスポテトチップス」、ヱスビー食品(通称・エスビー食品)が「スナックチップ」を発売。さらにヱスビーは1979年に一口サイズで箱入りの「5⁄8チップ(はちぶんのごチップ)」を発売した。

    当時は、そのキャッチーな(?)名前に惹かれて、今でも記憶に残っているのですが、一口サイズにするってのは画期的だと思うんですよね。口元でかじって割りながら食べるとぼろぼろ落ちるし。

    なので、歌舞伎揚げとかもそういうサイズで出してみれば、と思ったら、すでにありました、「ひとくち歌舞伎揚」。

    よく考えたらプチシリーズなんか、そういうコンセプトかー。私が考えそうなことなど、とっくに誰かがやっている、の好例でした。

    JRもやってくれないですかね、ホームを増やすときとかに、9と3/4番線。

  • 『LITTLE BEAR』と『地球から来た男』

    『LITTLE BEAR』Else Holmelund Minarik (著), Maurice Sendak (イラスト)を読みました。幼稚園から小学校低学年向けくらいの英語の絵本です。

    いくつかのお話が入っているのですが、その一つに主人公のLittle Bear(名前はないらしい)が月に行く話があります。

    どうやって月に行くかというと、space helmet(箱をさかさまにして、針金をつけたような珍妙なもの)をかぶったLittle Bearが、小さな丘の小さな木の上から目をつぶってジャンプする、という方法です。

    転げたあとに、彼は言います。

    “Here I am on the moon. The moon looks just like the earth”

    木も鳥も地球のとそっくり、なんて言いながら、家に着き、

    “Here is a house that looks just like my house. I’ll go in and see what kind of bears live here.”

    住んでいるのが熊前提なのが面白いですが、そこに Mother Bearが現れて、このごっこ、、、に付き合ってくれます。

    “Are you a bear from Earth?”

    丘にある木からジャンプしてやってきたというLittle Bearに対して、Mother Bearは、うちのLittle Bearもspace helmetをかぶって地球に行っているところなの、みたいな感じで話にのってくれるという展開。

    この展開に既視感があって、そういえば、星新一のショートショートにちょっと類似した話があったなー、と。

    小説を読んだこともあるような気がするんですが、たぶん相当前で(学生の頃)で、記憶にあるのはNHKでやっていた「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ 『地球から来た男』」の方です。

    記憶があやふやだった小説のほうを再確認。自治体の図書館サイトで見てみると、『地球から来た男 (角川文庫)』は貸し出し中。うーん、すぐに借りたい。で、『地球から来た男』を収録した子供向けの『恋がいっぱい (星新一ちょっと長めのショートショート 2)』なら、すぐに借りられたので、こちらを読んでみました。なぜ、『地球から来た男』が「恋」なのかはよく分かりません、今でも。

    産業スパイに対する処罰として、ある企業の研究員の手で、テレポーテーション装置により地球外の惑星へと追放された男の話です。

    「地球外の惑星」で、われにかえった男は道を歩いていた人が、地球人的な服をつけていること、言葉が通じることに驚きつつ、

    「(略)ここはなんという星です」

    「地球ですよ」

    という会話を経ても、「地球とは”自分たちの住むこの星”という意味ではないか。」という、うまい詭弁をつかって、ここは地球ではないどこかの惑星だと信じ続けます。

    持っていた紙幣も使えて、自分の住んでいた都市と同じ名の駅で降り、自分の家と同じ場所に行ってみると、奥さんそっくりの人がいて・・・

    つっこみ不在のまま、地球外の惑星での男の人生は続いていきます。

    極めつけは、以前は地球で税務署員をやっていて、この星でも税務署員をやっているという、同じ境遇の仲間とばったり出会ってしまうという展開。

    行き倒れの現場に、行き倒れの当人を連れて来て、「おいおい、困った人がまた増えちゃったよ」という落語の『粗忽長屋』を彷彿とさせます。

    ただ、ちょっと気になるところもあります。この『地球から来た男』、ボケ倒している主人公が繰り広げるコメディと読めばいいのでしょうか。それとも、パラレルワールド的なSFとして読めばいいのでしょうか。まあ、前者でしょうけど。

    ちなみにLittle Bearの方はというと、

    “Mother Bear, stop fooling.”

    と言って、自らのツッコミにより、ボケに終止符を打ちます。

  • 『藍を継ぐ海』と『オール讀物』

    芥川賞受賞作を片っ端から読んでみよう企画(『デートピア』と『#拡散希望』)と並行して、直木賞受賞作も1つずつ読んでいこうという企画を、こっそり始めました。

    現時点で一番新しい受賞作品は、第172回(2024年下半期)の『藍を継ぐ海』伊与原新 著です。

    図書館で予約状況を見てみると、数十件の待ち件数。まあ、そうだろうなと思いつつ、これじゃ、次の次の直木賞が発表される時期になっちゃうよと。ふと、図書館システムの検索結果の書籍の内容を見てみると、

    オール読物 2025年3・4月号(直木賞受賞作『藍を継ぐ海』より「藍を継ぐ海」全文掲載)

    というのが並んでいて、予約件数はゼロ。これなら、すぐに借りられます。

    文芸誌か、分厚くてちょっと読みづらいかもしれないけど、読めりゃいいかということで、借りてみました。

    「全文掲載」というフレーズで勘違いしていましたが、短編集の中の1つの短編が「全文掲載」されているだけでした。そりゃそうだよな、単行本まるまる一冊を雑誌に載せるわけないし。

    直木賞受賞作を読むのは初めてです。エンタメ系の作品に与えられる賞だと聞いていたので、爆発したり、毒が盛られたり、すごい悪役か、見たことないようなデキる人が出てくる派手な話を期待していましたが、非常に静かな文学でした。

    芥川賞は純文学作品、直木賞は娯楽作品、というのは、もう当てはまらないのでしょうね。芥川賞は短編か中編の1つの作品が対象、直木賞は長編か短編集などの1冊の書籍が対象、というのは分かりやすい違いですが。

    主な登場人物は、田舎の港町(港もさびれているが)の少女と、元教師のおばあさんと、ウミガメ。ウミガメの生態がさりげなくストーリーに関係したりして、興味がわきます。著者の伊与原さんは研究者出身で、科学的事実を散りばめ方が巧みです。

    もちろん、ちょっとした事件やミステリも含まれてます。なんで、そんなことが? あー、そういうことか、みたいな。短編だし、引っ張りすぎないのがいいですね。

    あと、文芸誌ってものすごい字の量ですね。読み終わる前に二か月たって(次の号の発売になって)しまいそうだなーと思いました。

  • バイオ×ビジネス ミステリー『テウトの創薬』

    世の中いろんなミステリーがありますが、『テウトの創薬』(岩木一麻 著)は「創薬ミステリー」ということになるのでしょうか。出版元のKADOKAWAのサイトには「医薬ミステリ」と書かれていましたが、医薬品の性質というよりは、薬を世に出していくプロセスみたいなところのほうに特徴があると、私は思いました。

    創薬ベンチャーのトトバイオサイエンス社で研究開発部長をやっている進藤颯太郎そうたろうが主人公です。トトバイオでは、かいこを使った抗体医薬品の大量生産を目指していますが、行く手には様々な障壁が・・・みたいな感じです。

    私もそうだったんですが、「抗体医薬品」って何? 普通の薬とどうちがうの?って人も多いと思います。そこがうまい構成になっていて、序盤にトトバイオのCEOのデニス・パーシバルが東京国際フォーラムでプレゼンをする場面があって、投資家などの医薬の専門家ではない人向けに、彼らのビジネスの対象、つまり抗体医薬品がどういうものであって、どのような背景や課題があって、それをどう克服しようとしているかを説明します。約10ページがプレゼンの描写にあてられており、ここで医薬に疎い読者も基礎知識を身に着けることができ、その後のストーリーをより楽しめるようになっています。

    目次を見ればわかるのでネタバレの許容範囲だと思いますが、中盤くらいに「第2章 連続殺虫事件」がおきます。殺されるのは虫。そして現場は厳重に管理された医薬品の生産設備(つまり密室)。章のタイトルを見るとコミカルなのかと思いきや、そうでもありません。

    その後の展開は、ミステリというよりは、株価、競合他社、敵対的買収などビジネス小説のようです。敵の腹心を寝返らせるための調略とかね。トトバイオは大学との共同研究をしているので、企業だけでなくアカデミアも絡んできます。

    そして、この大学の先生がクセモノというか、弩級どきゅうの悪役です。ずるいとか悪いとかだけではなく、人に恐怖を感じさせるキャラクターです。でも、研究遂行能力は高く、成果をあげていて、業界でも力を持っていたりするから性質たちが悪いです。こういう悪役がいると、俄然 話が面白くなります。

    ストーリーを堪能したあとに、気が付けば、医薬品にも詳しく(なったつもりに)なれる、1錠で2度おいしい小説となっております。


    2026-03-02追記
    創薬をテーマにした別の小説を読みました。テイストが全然違って、こちらも興味深かったです。
    『ビギナーズ・ドラッグ』は新人マネージャーの参考になるかも

  • 映画『めがね』は退屈かい?

    こちらの記事

    『桐島、部活やめるってよ』に出てくる映画(『ジョゼと虎と魚たち』他)

    で引用した会話で、

    そのあと武文セレクトの『めがね』を観ようとしたが、チャプターを見てもどこがどこのシーンかわからなくてふたりで笑った。

    というのを確認すべく、映画『めがね』のDVDを借りてみました。というより、小林聡美さんのファンである私は前々から見ようと思っていたのですが、これがきっかけになりました。『転校生』のDVDのジャケットってオカリナさんみたいですよね。

    で、チャプター一覧で確認してみましたが、

    『めがね』のチャプター一覧

    「どこがどこのシーンかわからな」いってことはなかったですね。DVDやBlu-rayのバージョン(?)によって違うのかもしれません。たしかに、ほとんどのシーンが離島の民宿とその近くの海で展開する映画なので、もしチャプターから機械的にスクショすると似たような背景ばっかりになってしまうのかもしれません。私の借りたDVDはきっとわかりやすいところを抽出してあるんだと思います。

    で、ひさびさに見ました、こんなゆっくりした映画。特に大きなトラブルとか事件とか、そんなものは起きません。人も死にません。悪役も出てこないです。

    ファスト映画を見て、見た気になっているような人にはおすすめしません。酒でもちびちび飲みながらまったり見たいですね。

    島でのイベントといえば、毎年のサクラ(もたいまさこ)さんが現れるときと、去っていくときでしょうか。何が起きるわけでもないですが、住民が「あっ」てふと感じるんですね。見ていないと、何言っているかわからないと思いますが。

    そんな中でも、私の好きな場面は、サクラさんのかき氷小屋のところ。島を訪れているタエコ(小林聡美)は、かき氷ありますよって何度か勧められるんですが、あまり好きじゃないみたいで、いつも断ります。

    でも、ちょっとしたきっかけで食べたあとのシーン。かき氷を食べていた先客の男性と小学生くらいの女の子が去ったあとです。

    タエコ「あの これ おいくらですか?」

    (少し驚いたような表情の島民)

    タエコ「あ… かき氷」

    サクラ「さっき来ていた氷屋さんには 氷をいただきました」

    タエコ「かき氷に?」

    サクラ「ええ」

    タエコ「じゃあ さっきの女の子は?」

    (サクラ:笑顔で、折り紙で折った動物(ブタ?)を見せる)

    タエコ「かき氷に?」

    (サクラ:笑顔でうなずく)

    タエコ「そうですか」

    (ちょっと困った表情で)
    タエコ「私は どうしたら…」

    サクラさんって、一時的にやってくるという点では観光客のようで、でも島民のように溶け込んでいて(メルシー体操!)、民宿ハマダでは朝タエコを起こしたりするので、民宿の従業員? と思いきや、浜辺の小屋でかき氷を出している(でも商売ではない)。

    通常の社会生活なら、お客なのか、従業員なのか、友達なのか、みたいにそれぞれの人に立場を当てはめると、関係性が分かったような気にはなれるけど、でも、人と人との関係って、そういうものじゃないよね、というのを感じた映画でした。

    あと、登場人物がみんなメガネをかけているのですが、その謎(?)は最後まで明かされませんでした。

  • 『Bedtime for Frances』にみる日米の子育ての違い

    再度、フランシスシリーズを読みました。以前読んだのはこちら(A BIRTHDAY FOR FRANCES(フランシスとたんじょうび))で、今回読んだのは、

    『Bedtime for Frances』英語版 Russell Hoban (著), Garth Williams (イラスト)

    です。

    フランシスはアナグマの女の子で、

    You have to go to sleep so you can be wide awake for school tomorrow.

    (明日学校で起きていられるように、寝なきゃいけないよ)

    というお父さんの言葉があるので、6歳以上でしょうか。でも、行動の様子からすると、もっと幼いようにも感じます。

    就寝の時間になってもなかなか眠れずに、寝室にtigerがいるとか、giantがいるとか、something scaryが天井のひび割れから出てくるとか言って、まだ起きているお父さん・お母さんに伝えにいきます。

    そのたびに諭されて、寝室に戻るのですが、結局なかなか眠れず、最後のほうでは、もう眠っているお父さんのベッドの横にそーっと立っていて、お父さんをびっくりさせたりします。

    日本だと、これくらいの年齢なら、親のすぐ横で寝たりするんでしょうけど、Francesは別の部屋のベッドに一人で寝ているんですよね。そういえば、アメリカではかなり小さい頃から、それこそ赤ちゃんの時から、個室が与えられて、そこのベッドに一人で寝たりするみたいな話を聞いたことがあります。日本じゃ住宅事情的にも難しいでしょうけど。

    Francesが起きるたびに、両親ともに優しく接しているんですが、先ほどの別室ですでに寝ているお父さんを起こしたシーンでは、さすがに機嫌が悪くなっているみたいで。なぜカーテンが揺れるのかと尋ねるFrancesに、すべてのものにはjobがあって、風にはカーテンを揺らすjobがあって、お父さんには9時に会社に行くjobがあって、Francesには学校に行くjobがある(冒頭のほうにあげた台詞の箇所)と。

    もしその仕事をしなければ、”he(風) will be out of a job” となるし、”I(お父さん) will be out of a job” になっちゃうんだと。

    で、もしFrancesが今もし眠ろうとしないのなら・・・

    “I will be out of a job?” said Frances.

    “No,” said Father.

    “I will get a spanking?” said Frances.

    “Right!” said Father.

    (「私の仕事がなくなっちゃう?」 フランシスが言った。
    「いいや」 お父さんが言った。
    「おしり叩かれちゃう?」 フランシスが言った。
    「その通り!」 お父さんが言った。)

    なんだか、急に厳しいお父さんになりました。さっきまで、ミルクを飲ませたり、キスしたり、おんぶして寝室につれていったり、起きてきたFrancesにケーキを一口食べさせたりしてたので、落差に驚きます。

    これは日米というより時代でしょうね。昔は、頭を叩くのはさすがにダメだけど、尻ならいいとか、グーはだめだけどパーはいいとか、なんか閾値がそのへんにあったような。

    アニメのトムソーヤの先生は体罰用の小さな鞭を持ってましたよね。で、それで普通に何発も叩いてた。ゴールデンタイムの子供向け番組で。あと、クレヨンしんちゃんも漫画版ではよくゲンコツしたり、お尻叩いたりしてましたね。テレビアニメではそんなシーンは、もはや出てこないですね。

    そういえば、おんぶでFracesを寝室に連れていくシーンでは、お父さんはくわえ煙草(パイプ)してました。これも、今はなし、、だよなあ。

    なんかディスっているみたいななっちゃいましたが、このシリーズはFrancesの単語のチョイスが面白いので好きです。それで終わりにしましょう。Francesがよくやる即興ソングです。

    (略)
    C is crocodile, combing his hair.
    (略)
    U is underwear, down in the drier…

  • 『痛覚のふしぎ 脳で感知する痛みのメカニズム (ブルーバックス 2007)』

    最近、「痛み」に関する本を読んでいます。

    以前紹介した『慢性疼痛: 「こじれた痛み」の不思議 (ちくま新書 940)』(平木英人 著)は現場寄り・臨床寄りの本でしたが、今回の『痛覚のふしぎ ―脳で感知する痛みのメカニズム―』(伊藤誠二 著)は、サブタイトルにあるようにメカニズム寄り・機序寄りです。

    第1章では、いわゆる心因性の疼痛の話も出てきますが、全般的には物理的(医学の分野では「器質的」というんでしょうか)な原因が明確な痛みのメカニズムが説明されています。

    メカニズムを説明しようとすると、様々な体内の組織の名前だったり、酵素の名前だったり、伝達物質の名前だったりが登場するわけで、ちょっとハードルが上がる気がします。

    高校生のときに、生物は理科Iでちょっと学んだ程度の50代には、なかなか厳しい部分もありました。とはいえ、ちょっと前に『カラー図解 アメリカ版 新・大学生物学の教科書』(D・サダヴァ 著)のシリーズ3冊をざっと読んだ(決してすべて「理解」はしていないですが・・・)のは、基礎知識として役に立ちました。

    そんな生物初心者にも、具体的なエピソードなんかはスッと入ってきて、理解できた気になったりするものです。アロディニアという、通常は痛みを感じない軽い刺激が痛みに感じられる感覚異常について説明していた箇所、タイトルは、

    風が吹いても痛い毒キノコ中毒の患者

    (略)

    病院を訪問したときには患者さんは入院してすでに17日経っていましたが、人がベッドの側を通る風の動きでも痛みが生じるほどでしたので、
    (略)
    この食中毒の患者では、本来風の動きを察知する皮膚表面の産毛からの情報が痛みに変わるとともに、自律神経が活性化され、血管が拡張し熱が放出されることで熱く感じています。

    まさにリアル「痛風」です。

    風が吹くと、それが弱いものでも、ふわっと風が吹いたなというのは感じますよね。その感覚が、伝言ゲームのミスで、痛みだと解釈されたら・・・と考えると恐ろしいです。

    ちなみに私は痛風経験者ですが、「風が吹くだけで痛い」というのはちょっと違っている気がします。正しくは、「風が吹かなくてもずっと痛い」です。

    「風が当たるだけでも痛い」はおなじみの語源ですが、痛風 – Wikipedia を見ると、諸説あるみたいですね。

    話を戻して、具体的な例で面白かったのが、日焼けしているときにお風呂(ぬるくても)に入ると、なぜ痛いのかというもの。

    そら、ヒリヒリしているときにお湯に入れば、ビリビリっとくるだろ、みたいな気はしますが、そういうのではなく、

    カプサイシン受容体がリン酸化されていない場合には、温度の閾値が42℃ではじめてカプサイシン受容体チャネルが開き、(略)カプサイシン受容体がホルモン感受性リン酸化酵素でリン酸化されると、カプサイシン受容体のチャネルの性質が変化して30℃付近からチャネルが開くようになり、(略)

    日焼けすると、痛みを伝える受容体がリン酸化された状態になる、と。その状態だと痛みセンサーの閾値が下がってしまって、ぬるいお湯でもビリビリっときて、「あー、日焼け止め塗っておけばよかった」となるんですね。

    出てくる用語をすべて理解できなくても、わかった気になれれば幸せです。

  • 『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』を読んで学生の頃を思い出す

    この本(「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」 小原晩 著)を読んだきっかけは、テレ東の「あの本、読みました?」の「エッセイ特集」自費出版“唐揚げ本”が異例のヒット! 小原晩&吉本ばななが語るエッセイの魅力」(テレ東BIZのサイト。動画は有料なのでサムネイルだけ、参考までに)に作者の小原晩さんが出ていたのを見かけたから。

    あと、BS12(トゥエルビと読む)の「BOOKSTAND.TV」にも出演されてました(インスタグラム)。BS12を見るとか、目のつけどころがシャープでしょ。「ザ・カセットテープ・ミュージック」も好きです。

    自費出版から火がついて、大手の出版社から出すことになったというエピソードと共に語られることが多いみたい。自力で書店と交渉して、発送などもやっていたらしいから、すごくしっかりした人なのかと思ったら、なんだか頼りない感じで、でもって繊細なエピソードが多く、意外でした。あと、よく一人外食(買い食い含む)する人だなあと思いました。あと、よく夜の公園に行く人だなあと思いました。

    学生だった頃を思い出しました。「夏の記憶に三人で居る」なんか、自分の経験とは全く似てないのに、自分の経験が想起されるような読後感。

    深夜に外出するとか、目的とか行先があやふやなまま出かけてみるとか、くだらないことで盛り上がるとか、変なルール決めるとか、今考えると何でそんなことしたんだろうとか、若い時の感じだよなあと懐かしむ私、50代。

    切れ者の著者がいかに巧みに活路を見出したか、みたいなドヤ顔の本には食傷気味なあなたに、胃薬になるようなエッセイです。

  • Little BearとMr. PutterとTabby

    以前も書いた(ラッセル・ホーバンとアーノルド・ローベルと多読)、多読の取り組み(?)で読んだ本です。

    『Little Bear’s Friend』(Else Holmelund Minarik (著), Maurice Sendak (イラスト))と『Mr. Putter & Tabby Hit the Slope』(Cynthia Rylant (著), Arthur Howard (イラスト))の2冊。

    どちらも、中学生くらいの語彙力があれば読めるであろうレベルだと思います。稲城市立図書館だと、多読用に分類される書籍には語数が書かれていて(テプラみたいなので張り付けてある)、Little Bearのほうは1422 words、Mr. Putter & Tabbyのほうは 553 wordsだそうです。

    Little Bearはシリーズの別の本を読んだことがあって、そちらは動物たちしか出てこなかったのですが、今回はEmilyという人間の女の子が登場します。クマと人間の遭遇ですが、子供向けの本なので、事件にはなりません。ご安心を。夏休みで近くに遊びに来ていたEmilyですが、夏が終わると帰ってしまうという、ちょっと寂しいラストです。

    特に難しい話はないのですが、知らなかった単語も出てきました。duckは知っていると思いますが(ねずみの友達の彼とか)、ducklingは知っていますか? duckの子供を指すみたいです。で、そのowl版のowletも出てきます。owlと言えばDuolingoのDuoですね。

    Mr. Putter & Tabbyのほうは、おじいちゃん(Putter)と猫(Tabby)のシリーズで、今回は雪山をソリで滑り降りるお話。TabbyのソリにZeke(犬)が乗って、先に行ってしまうくらいのアクシデントしか起きないです。ひっくり返ったり、どこかに突っ込んだりをちょっと期待していましたが・・・。知らなかった単語の例を挙げると、冬はtendするチューリップがないから退屈だとか。Putterは子供の頃、シルバーのrunnerの赤いソリを持っていたとか。ちょっとitchyなセーターを着せられたTabbyは、ちょっとtwitchyだったとか。文脈からなんとなく分かりそうな感じです。

    調べることでリズムが悪くなって読書が楽しめなくなってしまうようなら、どんどん先に進んだほうがよいらしいです。ただ、自分なんかは気になってしまって、調べたくなるんですよね。中高生時代に身に着けた精読のくせが抜けないというのが久しく続く悩みです。